美味礼讃

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2005年 11月 03日

山小舎の蔵 『万膳酒造』

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会社の代休を利用して、芋焼酎の蔵を見学に。

霧島の名水と、有機米・有機芋を使い、甕壷で
手作りで仕込む蔵「万膳酒造」を訪問。


山小舎の蔵 『万膳酒造』_d0022799_8413529.jpg山小舎の蔵 『万膳酒造』_d0022799_8415327.jpg山小舎の蔵 『万膳酒造』_d0022799_842652.jpg


空港からレンタカーで約20分くらいだろか。霧島神宮に向かう山道を走る。
道が狭く細く続く。本当にこの道で良かったのだっけ?と不安になり始めた頃、
蔵の看板が道しるべのように見えた。そこからもう少し進み、ようやく万膳酒造
に到着。美味しい水を求めて、こんな山奥に蔵を建ててしまう、その情熱に感動する。


山小舎の蔵 『万膳酒造』_d0022799_8421938.jpg
普通は、見学を受け付けていないのだが、特別
に蔵の作業を見学させていただく。
これが、貴重な麹米。蒸し米に黒麹菌を繁殖させる
もの。万膳酒造では、麹米を麹蓋に取り分けて、
一枚一枚丁寧に繁殖させるのだが、一定の温度に保つ
ために、麹米を様々な形に盛り付け、温度の高低に
対応する。とてもデリケートな作業で、気が遠くなる。
蔵人達は、黙々と麹蓋の切り替えし作業を繰り返す。
温度が変化する度に、真夜中でも対応するので、
まるで育児をしているようだ。まさに、麹は生きていて、
それを手作りで育てているのだ。


山小舎の蔵 『万膳酒造』_d0022799_843092.jpg山小舎の蔵 『万膳酒造』_d0022799_8431535.jpg山小舎の蔵 『万膳酒造』_d0022799_8433195.jpg


丸一日、麹室の中で大切に繁殖させられた麹米は、甕壷に移され、水と酵母で発酵させる。
そして、発酵が進むと、蒸した芋を砕いて掛け合わせ、二次発酵をさせる。
一次もろみは、酸のすっぱい香りがし、二次もろみは、バナナのような、甘い香りが漂う。
もろみが発酵するピチピチという音が、静かな蔵の中に響き、まるで池で魚が跳ねているようだ。

山小舎の蔵 『万膳酒造』_d0022799_8435660.jpg
この発酵段階でも、温度管理は徹底されていて、
水を流して冷却する蛇管を入れたり出したりして
いて、気が休まることがないようだ。
こうして大切に手作業で発酵させたもろみは、
この木桶蒸留器で蒸留されるのであった。
万膳酒造が木桶蒸留器にこだわるのは、優しい味に
こだわるからなのだが、蒸留器の管理に大変なコスト
と労力がかかる。


山小舎の蔵 『万膳酒造』_d0022799_8441882.jpg
このように、気が遠くなるような作業を経て、
蒸留された芋焼酎が垂れるのであった。
まさに、魂の雫とでも言おうか、感無量である。
毎年、万膳酒造の方々が、手作りで入魂の芋焼酎
を仕込む。小生は、「萬膳」を口にするたびに、
蔵人達の情熱に思いを馳せずにはいられないのだ。

by mimiraisan | 2005-11-03 17:42 | 九州(鹿児島県) | Trackback | Comments(2)
Commented by mkf at 2005-11-06 17:32 x
今年も、いつもの季節が来たのですね。
良い写真たちです。萬膳の香りを感じるような。
あー、酒が飲みたい@会社。
Commented by mimiraisan at 2005-11-06 21:22
休日出勤ですか...。
いい仕事ができた後の一杯は、最高ですね。
最高の一杯を楽しむために、お互い頑張りましょう!
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